未知の国イスラエルへの旅④ ~番外編~ 

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謎?の超正統派のユダヤ教徒の人々 

番外編イスラエルへの旅、第四弾は超が付くユダヤ教の人々の暮らしぶりをご紹介したいと思います。

 

というのも第一弾で少し触れましたがこの旅でとにかく彼らのファッションを見て驚きと今まで間近

で見た事が無かったので私の興味のボルテージが一気に上昇(笑)

 

この様な人達はアメリカの東海岸でしかほとんど見かける事が無く、ましてや日本なんかではまず

お目にかかれないと思います。

 

なので私の興味を思いっきり引いた不思議な超正統派の人達のファッションから浮世離れしている生活

スタイルについて触れて行きたいと思います。

 

まず本題に入る前に・・・

ユダヤ教徒は大きく分けて3つのグループに分類されます。

 

①超正統派(Ultra-Orthodox or Orthodox)

②保守派(Orthodox or Conservative)

③改革派(Reconstructionist)

 

因みに旦那さんの姪っ子ちゃん家族は②のオーソドックスとか保守派とかって呼ばれているカテゴリー

に属しています。

超まで付かないけれどユダヤ教の教えに沿って生活、習慣を守っている人達です。

 

アメリカでは年々超正統派や保守派がどんどん減少方向(東海岸はまだコミュニティが強く残ってい

ますが)で特に西海岸はユダヤ教徒の通う教会(シナゴーグ)が信者達の減少で今ではキリスト教の

イベントが行われたり他の分野に貸し出されたりしている様な状況。

(超正統派や保守派の人達から見るとあり得ない!他の宗教に貸し出すなんてけしからん!となって

いる様ですが)

 

では上記の①超正統派の人々の摩訶不思議なスタイルについてご紹介したいと思います。

 

超正統派ユダヤ教徒(Orthodox) とは?

この超正統派ユダヤ教徒はというと

一年中黒い帽子、長そでの白いワイシャツに黒いスーツを着ています。

中にはさらに長い裾のコートを羽織っている人達もいます。

エルサレムの市場に行った時に出会った若いオーソドックスの人達。何故か皆さん(他で出会った人達も)キャリー型の旅行鞄をガラガラ引いていて一体何を持ち歩いているのか不思議でした。

 

嘆きの壁で出会ったオーソドックスの男性。
帰りの飛行場でのチェックイン時にたまたま前に並んでいたオーソドックスのおじいちゃんをすかさず背後から隠し撮り。まるで真冬のお葬式に出る様な恰好。

 

 

ユダヤ教徒の中でも祖先が東ヨーロッパ、ロシアやウクライナの地域のユダヤ教徒を指し、またの名を

ハレーディ(Haredi) な~んて言う名前で呼んだりします。

 

ユダヤ教徒の中でも厳格に規律を守り、全ユダヤ教徒の10%を占めていると言われています。

そして独特のイーディッシュ語(ドイツ語に近い言語)という言葉を話します。

 

私がイスラエルに行ったのが8月半ばで日中の気温40℃弱。

 

そんな猛暑の中を全身黒づくめ、しかも長そでっていう恰好で街中を普通に歩いている姿を何度も

見ました。

 

私が袖なし短パンという軽装でも汗だくになっているのに全身黒づくめで暑そうにしていないのには

正直びっくりというか良く着てられるなあとある意味感心。

 

また観察しているとこの帽子が色々種類があって(多分宗派が違う?)普通のつばの広い帽子もあれば

真冬のロシアで被っていそうな毛の帽子、シュトゥレイメル(Shtreimel) 等実に様々。

→この帽子の方々の写真は残念ながら躊躇して撮れず 

この筒型の帽子は私にはなんだか可愛らしく見えて仕方ありませんでした(笑)

 

またこめかみの部分の毛と髭は切ってはいけないという戒律の為、みなさんこんな感じ。

このファッション、最初見た時ぶっ飛んでるなっていうのが第一印象でした。

だって男性がこんな風変わりな髪型してそれも真夏に全身長そで黒づくめって!

オーソドックスの若者の写真。こめかみの部分を切らず(生まれてから一度も切らない)に伸ばしています。

 

小さい男の子達もこめかみの部分を伸ばしてくるんとカール。

 

人によってはこのこめかみの部分がまるでベルバラに出て来るマリーアントワネットの巻き髪

みたいに綺麗にくるんってカールしてて何だか可愛いなって

 

可愛くないですか?このカール!自然の巻き髪なのかカーラーで巻いているのか?謎。

 

見れば見る程不思議なスタイル。

 

どうやって手入れしてるの?て聞きたくてしょうがなかったんですけどタイミング逸して聞けず(笑)

 

でまた素朴な疑問。

何故こめかみの髪の毛と髭を剃ってはいけないのか?

 

というとトーラ(聖書)に顔の先端を剃ってはいけないと書いてあるからだそう。

なので男性は生れてから一度もこめかみの部分を切らずに伸ばしっぱなしという。

 

ホテルの食堂で上の写真の様なこめかみの部分だけを伸ばしている小さい男の子達を見た時にへっ?

何このファッションって言う衝撃的な瞬間でした。

見れば見るほど実に不思議で・・・。

 

彼らは極端に写真に撮られるのを嫌うので何とか彼らの姿を写真に収める為にこっそりと撮ろう

としたんですが結構びびってしまい、撮れたのは数枚だけ。

それも真正面からは文句言われそうで恐くて撮れずにほぼ後ろ姿っていう・・・ 

 

反対に女性はじゃあどんな格好をしているかというと既婚女性は髪の毛を隠す為に必ずスカーフや帽子で

覆わなければなりません。何故ならばイスラム教と一緒で髪の毛は旦那さんだけにしか見せられないという

規律があるからです。

 

でもこのスカーフやターバンの様な帽子の様な被り物が結構お洒落だったんですよ!

多分洋服が地味なのでその分被り物でファッションを楽しんでいるのかなあと。

 

街中にこうした女性用の帽子のお店が。

 

また肘、膝は絶対に外では出してはいけないので独特の白若しくは黒のぴったり肌に密着する長袖の

Tシャツの様な物をブラウスやワンピースの下に着ます。

そして絶対にパンツは履かずスカートのみ。

 

女性の皆さん、鮮やかなスカーフを工夫して綺麗に巻いていました。

 

 

正統派、保守派の女性は眠さんこの様な服装を。必ずブラウス、ワンピースの下に白か黒の長そでTシャツを着用。パンツスタイルはご法度!

 

 

正統派の人々の不思議な生活 

イスラエルは男女共に17歳から約3年、兵役の義務(女性は男性に比べて期間が短い)があります。

 

しかしこの正統派の人達はユダヤ教だけを学ぶ事を理由に兵役免除という特権を得ているのです。

 

その代わりイェシーバーという神学校の様な場所で毎日朝から晩までトーラー(聖書)を勉強する

というのが彼ら、男性の仕事。

 

ここで素朴な疑問。毎日神学校に行っててどうやって生活費を稼いでるの?ってなりますよね?

 

答えはなっなんと政府やユダヤ教の支援団体が彼らにお金を出しているのです。

 

イスラエルだけでなく、ニューヨークの超正統派も同じ様に政府や支援団体がバックに付いている

のです。これには正直驚きました。

 

それだけではありません。こうした超が付く正統派の人々はエルサレムやニューヨークの中に彼らだけ

のコミュニティーを形成し、一切外との接触を断っています。

 

インターネットは勿論の事、テレビは見ないっていうか持ってない、新聞も読まない、聖書だけを勉強

するという独特の生活スタイルを貫いています 

 

正統派一家の姪っ子ちゃんちもテレビが無く、新聞も読まないという一家で(スマホは持っていましたが)

家では皆でお話をするか本を読むという生活を送っています。

 

家でゲームで遊ぶなんていうのはもっての外!

なので子供達が私達のホテルに遊びに来た時に夢中になって食い入る様にテレビを見ていた姿に新鮮な驚き。

 

現代ではどこの家庭でもスマホのゲームだとかテレビゲームに夢中になっているけれどこの子達は無縁の生活

を送ってるんだなあと。

 

そしてユダヤ教徒の女性も働かず、ひたすら子供の世話をしながら夫の帰りを家で待つという生活。

 

それもユダヤ教徒の家庭はどこも子だくさん。姪っ子ちゃんも4人の女の子のママ。

4人の子供がいる家庭はそこら中にいて6人とか7人とかビッグファミリーが当たり前。

少子化で悩む日本とは大違いですよね 

 

路上ライブでお小遣い稼ぎをしていると思われるオーソドックスのおっちゃん。英語のロックミュージックを演奏。パソコンもテレビも無いはずなのにどっから仕入れてるのか(笑)

 

 

ふしぎ~な祈祷時の恰好 

超正統派と保守派の男性がお祈りをする時のファッションが実に摩訶不思議だったんですね~。

 

第一弾でも触れた様にロサンゼルスからテルアビブ行きの飛行機の中で10数名の超正統派、保守派

の人達が乗り合わせていて見た事も無い出で立ちで機内でお祈りを始めたのが第一の衝撃的なシーン

でした。

 

まず頭にはヤマカ(Yarmulke:イーディッシュ語)とかキッパ(Kippah:ヘブライ語)と呼ばれる

ちょこんと頭のてっぺんに乗っける小さい帽子を被ります。

この小さな帽子を被る理由は神様に頭を直接見せない、つまり畏敬の念を表すという意味からと言われ

ています。

 

これは嘆きの壁の前で執り行われていた13歳の男の子のお祝いバーミツバ(Bat Mitzvah)儀式の風景。青いのがヤマカ(キッパ)

 

ヤマカ(キッパ)はこうしてピンで留めます。

 

 

市場の中で見つけたヤマカ(キッパ)のお店。色々な柄と色が!

 

そしてツィツィ(Tzitzit)というシャツの前後4隅にフリンジ上の紐がくっついたシャツを着ます。

 

何故4隅で何故にフリンジなのか?

 

その理由はトーラというユダヤ教の聖書の中に記述されているからです。

 

モーゼが神様から任命されてユダヤ人をエジプトから脱出に成功させます。

 

その後シナイ山で十戒を神様から授かった際にこの先神様の教え・啓示を忘れずに記憶するそして、

神様が彼らユダヤ人をエジプトから救ったという事実を永遠に忘れない為に4隅に青い線の入った

フリンジ付きのガウンを作りなさいと神様からの指示があった事が背景にあります。

 

その教えをモーゼの時代からずっと守っているという訳です。

 

嘆きの壁近くにいた超正統派の男性。左の腰にぶら下がっているのがツィツィ(Tzitzit)

 

このフリンジ状の物がツィツィ。

 

そしてフリンジの付いたシャツの上からタリット(Tallit)と呼ばれるこれまた青い線と4隅にフリンジの

付いたガウンをまといます。

 

さらに奇妙だったのが額に何やら四角い黒い箱の様な物を巻き付け、腕に黒い紐をぐるぐると巻き

付けていた事。

 

この四角い箱はテフィリン(Tefillin)と呼ばれる革で出来た箱でこの小さな箱の中に羊の皮で作った

紙にトーラ(聖書)の詩を彫った物が入っています。

 

フリンジの付いたタリット(ガウン)と小さい箱(ティフィリン)を付けているユダヤ教徒。

 

そして腕にグルグルと巻かれる黒い紐はシェルヤッド(Shell Yad)と呼ばれる物でこの小さな箱と腕に

巻く紐はどちらも神様の教え・啓示を忘れない様にとトーラに記載されていて上記のシャツやガウン

と同様、モーゼの時代からずっと守られて来た恰好なのです。

腕に巻かれたシェルヤッド。実に不思議な恰好です。

 

嘆きの壁前でこっそり覗き込んで撮った腕にグルグル巻きつけている写真。

 

いかがでしたか?

私がこのイスラエル旅行で最も興味を引いた超正統派のユダヤ教徒のファッションとその

生活スタイル。実に摩訶不思議だと思いませんか。

 

この変化の激しい時代の中でもぶれずに戒律を厳格に守って聖書と祈りだけの生活を送っている人々。

少しでもこんな人々がいるっていう事をお伝えしたくて 

 

最後におまけ 

今回この記事を書くのに色々ねっとで調べている途中で実はニューヨークで超正統派の人々の住む

コミュニティーや神学校を訪ねるツアーを見つけちゃったんです!

 

いつかニューヨークに行く機会があれば絶対参加したいなと思っています。

→旦那さんは行きたくないって言ってますが(笑)

 

皆さんもニューヨークに旅行に行く機会があれば是非参加してみては如何ですか?

 

ツアーの情報はこちらから

↓ ↓ ↓

http://www.visithasidim.com/

 

さて次回は進化が進んでいるイスラエルの大都市、テルアビブについてご紹介したいと思います。

 

今日も覗いて頂き、ありがとうございました!

 

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