• 投票に関するガイドラインと候補者のリストブック。
  • 涙ながらに強い口調で事実無根だと訴えたカバノー判事。
  • この女性がカバノー判事を告発したフォード教授。

どうなる?アメリカの中間選挙 “Midterm Elections”

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いよいよ迫る中間選挙”Midterm Elections”

来月11月6日アメリカの中間選挙 ”Midterm Elections” の日。

日本では大統領選でも無いし他国の話なのでピンと来ないかと思われますが・・・。

その選挙の日が刻一刻と迫って来てテレビでも選挙の話題が多く取り上げられる様になって来ました。

投票に関するガイドラインと候補者のリストブック。

 

トランプ大統領が2016年の大統領選でヒラリーに勝ち、大統領になってから早くも2年が経過。

今回はその第一回目の大きな選挙となり、この選挙の行方が非常に注目されています。

この結果次第でこの先のトランプ政権に非常に影響が出て来るからです。

 

私はアメリカに来る前は正直、アメリカの政治に関心がある訳ではありませんでした 

 

しかし毎晩英語の勉強を兼ねて欠かさず観るテレビニュース、世界の情勢を学ぶディスカッションクラス

の受講といった中でアメリカ人が今何を感じ、何を考えているのかというのを間近で見て来て次第に興味が

湧いて来たのです。

 

オープンな国アメリカだと思っていたの(←これ私の妄想?)がトランプ政権に代わってから自由に自分

の意見や思いを発言出来ない、人種差別やらセクハラに対して過敏になっている現代のアメリカ社会の

風潮が益々酷くなって行っていると日々感じでいます。

 

私はまだアメリカでの選挙権はないので第三者の目線で見て感じている今のアメリカ、カリフォルニアの状況

をお伝えしたいと思います。

 

アメリカの政治体制ってどうなっているの? 

まず中間選挙の話をする前にアメリカの政治体制ってどうなってるんだっけ?から触れたいと思います。

 

アメリカに来てまず旦那さんからしつこく頭に叩き込まれたのがアメリカの政治体制です。

ここを理解していないとアメリカの政治を理解出来ないからというのが旦那さんの考えでして・・・。

お恥ずかしいながら私は大統領選は4年毎、上院、下院があるっていう位のレベルしか知らなくて

 

今回自分の頭の整理をする意味で下の様な組織図を作って見ました。

 

 

上の組織図を見て判る通り、アメリカの政治は行政、議会、司法の三権分立で成り立っています。

つまり大統領と議会、司法がはっきりと関係が分かれているのです。

 

大統領は議会に席を持つ事(行政に属する各省庁の長官も同様)、議会を解散する権限はありません。

 

じゃあ大統領ってどんな権限があるの?っていう疑問が湧きますよね?

 

アメリカの大統領が持つ権限は大きくは

・行政のトップ

・軍の最高司令官

・最高裁判事を選出する

・核のボタンを押す権利を持つ

・条約締結権を持つ

・法律案の拒否権を持つ

→これは議会で通った法律案に対して拒否は出来ますが差し戻したとしても議会で2/3以上で再決議

されれば法律案は通ってしまいます。

 

トランプ大統領が何でもかんでも一方的に独断と偏見で決めて実行しているかの様にメディアでは報道

されている傾向にありますが実際は大統領はそこまでの権限は無いのです。

実は意外や意外、議会の方が権限を持っているんですよね 

 

現在上院も下院も議席が共和党が多い、因って勢力があるのでトランプが推し進める事項が比較的通り易い

状況にあると言えます。

 

なのでトランプが公約で掲げていたメキシコとの国境に壁を作る、諸外国との貿易の関税を引き上げる、

減税政策の実現といった物が彼が一人で決めて実行している様に多くの人が勘違いしていますが実は議会

が協議し、承認して実行しているのです。

 

中間選挙(Midterm Elections) の目的 

では来月に迫っている今回の中間選挙って一体何の為にやるのか?って事、なかなか日本人には馴染みが無い

のでわかりにくいですよね。

 

上の組織図の真ん中のピンクの四角で囲っている上院(Sanate)下院(House of Representatives)

の改選が今回の中間選挙の最大の目的です。

 

大統領選は2016年度にありましたので次は2年後の2020年になります。

 

大統領選が行われる一般選挙(General Elections)の間に行われるので Midterm Elections

と呼ばれています。

 

因みに

上院は任期は6年ですが1/3が2年毎に改選されます。

下院任期が2年なので全ての議員が改選になります。

 

これまでの中間選挙は大統領が属する与党が劣勢になり、中間選挙は野党が勝利するというジンクスが

ある様ですが今の勢いだと2018年度はトランプ大統領の共和党が勝利するのでは?と分析している

人達が多数います。

 

しかしその一方で共和党と民主党が接戦になりそうだと言う意見がある事も事実です。

 

いろんな意味で追い風になっているのがついこの間決着がついたカバノー判事(Judge Kavanaugh)

最高裁判事承認に至るまでのすったもんだ事件。

 

性的暴行疑惑に発展したカバノー判事の承認までのドタバタ劇 

さてこの中間選挙の前哨戦とも言えた最高裁判事の承認。

 

今回このドタバタ劇が決着するまでの約1か月間程朝から晩までどのテレビニュースも新聞ももう

いいよって言う位にこの話題で持ち切りでした 

 

どうしてここまで大騒ぎになったのか。

日本で最高裁の判事が変わるって言うのがこれ程騒ぎになるなんてありませんよね?

 

この理由はまさにアメリカならでは。

 

まず上記の政府の組織構成の一番左側をもう一度見て下さい。

司法の中でも一番トップに君臨する最高裁判所。

この最高裁は法律の無効や変更、大統領の権力すら制限出来たりも出来る程の力を持つ機関なのです。

 

今回9人いる中のケネディ最高裁判事が自ら引退を表明し、この空いた席にトランプ大統領が候補として

選んだのがカバノー判事でした。

 

すったもんだしてやっとこさ承認されたカバノー最高裁判事。

 

この方は控訴裁判所の判事として長年業務を遂行してきた共和党支持の53歳という非常に若い判事

です。

 

最高裁判事は一度承認されると自分から引退を表明しない限り終身職であり、さらに共和党支持のカバノー

判事が加わった事で9名の判事の勢力図が5名:共和党支持、4名:民主党支持と共和党が力を持つ事に。

 

特にカバノー判事は強硬保守派として知られていて、民主党が推し進めている銃規制や人口妊娠中絶を容認

する法律を彼が判事になった場合にことごとく潰される、法律が変えられるのではという事で以前より

民主党側は危機感を持っていたのです。(特に人口妊娠中絶法を無効にされる事を民主党が不安視)

 

そこで承認を何とか中間選挙まで先延ばしに出来ないかとあの手この手で考えて出してきたのが今回連日

メディアを大騒ぎさせたカバノー判事の10代の頃に引き起こしたとされる性的暴力事件疑惑でした。

 

この疑惑というのが1982年に当時高校生だったカバノー判事と友人宅のパーティー行った同じく高校生

だったクリスティーン・ブラジー・フォード教授という女性が2階の寝室に無理やり連れていかれ、ベッド

に押し倒されて口を塞がれた上に暴行されかかったという話。

 

その後も数名の女性が私も!私も!と訴え始めたり実は判事はアル中なんじゃないかとかどんどん

エスカレート。

 

この女性がカバノー判事を告発したフォード教授。

 

私はへっ今更?約40年も前の事を掘り返してそんなんで叩けるのかって思ったのが正直な感想。

何としてでも阻止したい!っていう民主党側の必死さが見ていて伝わって来ました。

 

そして上院の議会にて公聴会が開かれカバノー判事と告発したフォード教授の2人がそれぞれ証人喚問

にかけられる事に。

 

9月27日朝から晩まで終日かけて二人の証人喚問をどのテレビ番組も生放送で中継。

 

印象的だったのはカバノー判事が終始非常に強く時に激しい口調で事実無根だと訴えていたのと途中で

家族をでっち上げられた話で貶めようとする民主党のやる事が許せない、アメリカの恥だと涙ながらに

訴えていた姿でした。

 

涙ながらに強い口調で事実無根だと訴えたカバノー判事。

 

証人喚問の中で決着がつかず、その後も引き続き一週間、FBIの調査をする事でさらに決着が後回しに。

このFBIの調査の結果は公表はされませんでしたが証拠不十分な感じで結局は事実があったのか無かった

のか?

最終的には大騒ぎになった割りには何だったの結局?というグレーな部分を残したまま半ば強硬に承認

投票に共和党が持ち込んだ感満載の何とも後味のすっきりしない終わり方 

 

最高裁判事の承認は上院の100人の投票で決まります。

今回数名が最後まで承認を留保する議員が居た為、もつれ込んだのですが

最終的に10月6日に承認:50、否認:48という非常に僅差でカバノー判事が最高裁判事として

承認される結果となりました。

 

証人喚問時に激高したり泣いたり激しく態度を変える姿にこんな人が最高裁の判事になってちょっと

大丈夫?ってなった人が結構いるんではないかと・・・。

 

私の周りにそういう意見を言う人達が結構いるのも事実です。

この先最高裁の動きがどうなるやら心配でもあります。

 

拮抗している民主党と共和党の戦い 

こうしてドタバタ劇が一旦終了してさあこれからが本番という追い込みの時期に今来ています。

 

Wall Street Journal等の幾つかのメディアは2018年の中間選挙はおそらくトランプ大統領を毛嫌いして

いる人達や今回のカバノー判事の大騒ぎをきっかけに投票率が2年前の大統領選の時より上がるのではない

かと予想しています。

 

因みに民主党はブルー、共和党は赤とそれぞれ色が決まっています。

民主党が強い州をBlue State、共和党が強い州をRed Stateと呼んでいます。

そしてそれぞれシンボルマークがあります。

 

民主党のシンボルマークの馬。

 

こちらが共和党のシンボルの象。

 

そんな民主党と共和党の戦いですがアメリカ全土で見るとどう勢力が分かれているのでしょうか。

下記の地図が州別に民主党、共和党の支持のエリアを表した図になります。

 

現在の民主党、共和党州別勢力図。(ネブラスカ州とサモア諸島は半々の意味で黄色に。)Wikipediaより抜粋。

 

この図を見て判る通り、ロサンゼルスやサンフランシスコがあるカリフォルニア州、ニューヨークが

あるニューヨーク州と言った大都市は民主党が強いのですがやはりアメリカの中央エリア白人率が多い

地域は圧倒的に共和党の支持が強い事が一目で分かります。

 

また世論調査を行っているPEW Research Centerの投票前意識調査の分析結果をニュースとして載せてい

た記事を見つけて非常に興味深い内容だったので幾つか抜粋してご紹介したいと思います。

 

下記が民主党支持者と共和党支持者約10,000人に調査して今何が不安、問題視しているのかと

いうのをグラフ化したものです。(原文を訳して加工)

 

PEW Research Center の” Survey of US adults conducted Sept.24- Oct.7.2018″より抜粋。

 

 

記事の中ではほとんど民主党と共和党がオーバーラップしている事項が無い事、そして60%以上の

両党の支持者達が最も懸念している点が薬物中毒だと指摘しています。

また政府の財政赤字、暴力犯罪についても両党の支持者達が懸念している点であるとも。

 

どの生活レベルの支持者達に調査をかけたのか不明ですが貧富の差や不法移民問題を問題視

している比率が余りにも差がある事です。

 

貧富の差に関しては民主党支持者の77%が問題視しているのに対して共和党支持者は22%。

 

不法移民問題に関しては民主党支持者の75%が問題視しているのに対して共和党支持者は

たったの15%。

 

また銃犯罪に対して民主党支持者の80%近くが問題視しているのに対し、共和党支持者は僅か

25%という低い数値。

 

共和党のトランプ政権下で尚且つ共和党の支持者達の銃犯罪への意識の低さが深く関係しているので

そうそう簡単に銃廃止という訳にはいかないというのが良く理解できます。

 

この記事にはさらに今まで民主党支持でも共和党支持でも無いいわゆる無党派層 ”Swing Voters” が徐々に

消える傾向にある事から益々民主党と共和党の二極化が進むだろうと書いてあります。

 

2016年の選挙には投票しなかったけれどこの2年間のトランプ大統領への思いやカバノー最高裁判事の

一件を受け留めて改めて投票に行こうという人達がどれほど増えるのか?

そういう観点で見て行くとどちらが勝つのか本当に最後まで分かりませんし益々興味が湧いてきます。

 

この記事について興味ある方はこちらからどうぞ ↓ ↓ ↓

https://www.vox.com/policy-and-politics/2018/10/15/17979224/2018-midterm-elections

-candidates-issues-health-care-immigration

 

 

2つに割れるアメリカ社会の闇 

益々二極化する一方のアメリカ社会。

今アメリカで政治の話をするのはタブーな風潮になりつつあります。

 

特にカリフォルニアで「私は共和党を支持しています。トランプ大統領に賛成です!」な~んて軽く

言おうものなら多くの友達を無くすかはたまた解雇される事になり兼ねません。

実際にそういう人達の話を耳にするので。

 

悲しいかなそれ位今政治の話、トランプ大統領の話をするのは敢えて避ける風潮になっているんです。

これもトランプ政権に変わってからだと皆口を揃えて言っています。

 

ロサンゼルスは民主党が特に強い場所、アンチトランプ政権、大統領の人達がほとんです。

 

なので私が通っている英語学校でも先生自らが度々トランプ大統領をけなしますし、私の周りのネイティブ

の特に女性達は「あんな下品な人が自分の国の大統領だと思うと恥ずかしくてしょうがない」と口々に

言っています 

 

また旦那さんや息子がトランプ大統領を支持し始めてショックで一切家族で政治の話をするのを止めたって

いう友人、政治の話で夫婦喧嘩が絶えず離婚になっている話等々。

 

また私が通っている社会情勢をディスカッションするクラスではちょっとでもトランプ政権に賛成する様な

意見を言いようものなら大バッシングを受けます。

 

一度不法移民について男性が一言トランプ政権の施策を支持する様な意見を言った瞬間、部屋中やじと怒号

が飛び交い、数名の女性が「何でトランプの支持するんだ!一体どっからそんなウソっぱちな情報を

見たんだ!」ってヒステリックに大声で叫び出すわで収拾付かなくなった事が。

 

オープンな国=アメリカ、特にカリフォルニアは比較的自由に自分の意見が言える場所だと思っていた私は

この状況を見て余りの凄さというか人の意見をリスペクトしないで全否定するという姿勢に圧倒されたのと

ショックを受けました。

 

「まず非難する前に人の意見は意見として聞こうよ!」って思わず言いたくなる事が度々あるのですがそんな

事恐ろしくてとても言えません・・・。

そんな事言おうもんなら間違いなく袋叩きに遭いますので 

 

また私は勉強のつもりで色々な意見を聞こうと共和党の支持者が集まる会合にも何度か参加した事があるの

ですが彼らは大っぴらにせず、目立たない様にひっそりと集まって共和党支持の結束を固めています。

 

彼らのそうした姿を見て堂々と自分達の思いが発言出来ない、例え友達や家族同士であっても言えないという

何とももどかしい複雑なアメリカ社会が透けて見えて来ています。

 

共和党支持者達は口々に「民主党支持者よりも私達共和党支持者は人の意見をリスペクトして聞く耳を持っている。

民主党は民主党の考えがあって当然。私達はそれを受け留めている。民主党支持者達の方が頭が固く、差別的で他の

意見を全く受け入れない。彼らこそ国を良くして行こうなんて本気で思っていないんだ。」と。

 

トランプ政権が続く限りこの水と油の関係は解消しそうにありません。

来月の中間選挙の結果次第では益々溝が深まるのではと感じています。

 

つい先日ラッパーで有名なカニエ・ウェストがホワイトハウスに招かれてトランプ大統領と接見して

あり得ない位フレンドリーに大統領に向かって「I love this guy!」って何度も言っているのがニュースで

放映されていました(笑)

 

「 guy」呼ばわりされた大統領は苦笑している様にも見えたのですが・・・。

良い宣伝になってるしまあ今日んとこは大目に見て言わせとこっみたいな気持ちだったのかな~

なんて勝手な想像。

 

民主党側はテイラー・スウィフトが民主党支持表明をついこの間しましたね。

 

民主党も共和党もこうした有名人をうまく使って票集めを必死にやっているのかなと思ってしまいます。

 

とにかく11月6日までの数週間、民主党と共和党の戦いも終盤戦。

一体どんな結果が出るのか今から楽しみです。

 

今日も覗いて頂き、ありがとうございました!

 

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