全米一の貿易港 “Port of Los Angeles” ![]()
ちょっと今回はニッチなお話になってしまうんですけれど・・・![]()
先週ロサンゼルス港湾局主催のポートツアーなるものに行って来ました。

アメリカに移住してからたまたまひょんな事からアメリカ在住40年強、且つ長年物流業界に携わっ
ていらっしゃるSteve斉藤さんという方と知り合ったのです。
Steveさんと言っても日本人の方ですが赤岩さん、大畑さんというアメリカの物流に精通されている
方々と3人でアメリカの物流を勉強する“LOGISTICS LEARNING ACADEMY”という定期的な
勉強会を主催していらっしゃいます。
Logistics Learning Academy の詳しい情報はこちらから ↓ ↓ ↓
縁あってこの勉強会にほぼ毎回参加させて頂いていて「10月25日に港湾局主催のポートツアーが
あるから参加しませんか」というお誘いを受けて前から行って見たかったので即参加表明!
実は私はロサンゼルスに移住する前迄は某大手コンピューター会社で約30年もの間、物流業界のお客様
へのシステム販売・機器販売をして来たという経歴の持ち主でして・・・。
なのでアメリカの物流状況ってどうなってるんだろう、特に今回は間近で大型コンテナ船が見れるという
なかなかないチャンスを逃すまいと参加して来ました。
90分間の迫力あるコンテナ船巡り ![]()
私達物流勉強会の出席者と他の企業のお客様も一緒にSan Pedroというロサンゼルス港がある場所から
観光船に乗船。

ポートツアーは約1時間半程ロサンゼルス港の歴史から今のロサンゼルス港の状況の説明を聞き
ながらぐるっと湾内を一周するというコース。
こちらが観光船から見たロサンゼルス港の様子 ↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=CNKWkyHx4kg
間近で大型のコンテナ船がコンテナを荷積みや荷下ろしをしている風景は迫力満点!
幾つかこの日に停泊していた船をご紹介しましょう。
このコンテナ船は MAERSK社の”MAERSK ALTAIR”です。
20フィートのコンテナを9,000本積載可能な船です。

こちらは台湾に本社があるEVERGREEN社が運営する”EVER LIVING”
20フィートコンテナが約8,500本積める大型船です。

因みに今世界で稼働している船で最大積載量はどの位なのだろうと興味を持って調べたら中国上海
に本社があるCOSCO社が運営するコンテナ船がなっなんと20フィートコンテナを21,237本も積載
可能だそう!
想像がつかない位、巨大なコンテナ船だと思いませんか!
こんな巨大な船を来年までに5隻も増やすんだそうです ![]()
この記事に関してはこちらから ↓ ↓ ↓
http://english.cctv.com/2018/06/13/ARTIAM7Txez8RuJfRZ75mvEP180613.shtml
中には私達の船が通りかかった際にコンテナ船のコンテナを下ろしているクレーン操縦のスタッフが
わざと海上ぎりぎりまでコンテナを下ろしてくれるな~んていう技も披露して大盛り上がり(笑)
その時の画像がこちら ↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=-PZOcu4VAZM
説明では40~50年前はこの海域は汚染されて酷かったものの今ではイルカやアザラシの姿も見れる
様になった位海水が綺麗になったと事。
私達が船に乗っていた時も数頭のアザラシがのんびり泳いでいるのが見えました。

※今回の90分じっくり港の中を巡るツアーはロサンゼルス港湾局主催の為、一般には公開されてい
ません。一般の観光クルーズとして45分の湾内の観光ツアーがありますのでこちらに参加される事を
お勧めします。(大人15ドル、子供6ドル:5歳以上)
観光クルーズ船についてはこちらから ↓ ↓ ↓
https://2seewhales.com/gallery/
ロサンゼルス港ってどんなところ? ![]()
因みにロサンゼルス港ってどこにあるの?って話。
赤い印の場所がロサンゼルス港の位置、車でサンタモニカから40キロ強(約40分)、ダウンタウン
から30キロ強(約30分)の場所にあります。
ロサンゼルス港は全米の20%の貨物を取り扱う全米No1の貿易港になります。
しか~し全世界で見るとなんと18位なんですね~。
アメリカの港って上位を占めていると思いきや結構上位10港にも入らない位。
貨物の量的には世界で見ると余り多くないんですね・・・。
上位はどこ?って興味が湧いて調べてみたらなんと世界1位は上海港、で上位10港には何と中国の港が
7か所も入っているんです!
やはり中国は生産拠点数も多いし様々な製品が生産され、また人口も多いので物も集まるんでしょうね。
因みに日本は?というと京浜港(横浜・川崎)が何とか20位に位置しています。
世界トップ50港ランキングについてはこちらから ↓ ↓ ↓
http://www.worldshipping.org/about-the-industry/global-trade/top-50-world-container-ports
◆ロサンゼルス港の概要
主要運営会社:Tra Pac Inc.(日本の㈱商船三井のグループ会社が運営)
港全体の面積:約3,000ヘクタール、東京都の1.4倍
水路の合計の距離:69キロ
水深:約16メートル
コンテナターミナル数:8か所
液体貯蓄ターミナル:7か所
コンテナクレーン数:87機
鉄道距離:約32キロ(ダウンタウンのUnion Stationまで)

この貿易港が栄えている一つの理由としてダウンタウンにあるロサンゼルスの鉄道の玄関口である
Union Stationまで鉄道が走っている事なんです。
なので積まれたコンテナがトラックでの輸送をしなくても直接港から鉄道駅まで運搬され、そこから
全米に輸送されていく訳です。
トラックのドライバー不足、ただでさえ排気ガスで環境汚染が酷いとされているロサンゼルス市に
とってこの鉄道と直結している事は重要な要素となっています。
その他のロサンゼルス港に関する豆知識 ![]()
◆ロサンゼルス港の主な貿易国ベスト5
1位:中国・香港
2位:日本
3位:ベトナム
4位:韓国
5位:台湾
ロサンゼルス港に入ってくる製品がほぼアジアからというのが分かります。
特にベトナムは家具が好調の様でランクがアップしている模様。
◆輸入品ベスト5(ロサンゼルス港に入ってくる)
1位:家具
2位:自動車用パーツ
3位:アパレル製品
4位:電化製品
5位:プラスチック製品
◆主な輸出品(ロサンゼルスから出て行く)
1位:中古メタル品
2位:古紙
◆コンテナのオぺーレーション数(一時間当たり)
これは一時間に何本の20フィートのコンテナを積み下ろしが出来るかの数になります。
・ヨーロッパ、中国(平均):30本/時間
・日本(平均):28本/時間
・ロサンゼルス港:26本/時間
やはりヨーロッパ、中国は自動化がかなり前から進んでいる様で日本やアメリカに比べて格段
に積み下ろし時間がスピーディな事が分かります。
何故日本やアメリカは差があるのでしょうか。
そこはヨーロッパや中国と違って組合の力が強いのです。
従って時間の速さにこだわらない、まずは雇用を守る事を優先していて自動化に関して欧州諸国や中国
に遅れを取っている様です。
徐々に自動化が進むロサンゼルス港
とは言えロサンゼルス市は環境問題を重視してターミナル内の環境整備に力を入れ始めています。
というのもロサンゼルス港があるエリア及び隣のLong Beach港も含めて港周辺でアイドリングしながら
待機する膨大な数のトラックから出る排気ガスや巨大なコンテナ船から排気されるガスによる空気汚染が
以前から問題になっています。
こうした環境問題を解消する為にロサンゼルス市は2030年を目標にZero Emission(ゼロミッション)、
つまり環境を汚染したり排気ガスなどと排出させない仕組みを取り入れて積極的に環境問題に取り組んで
います。
数々の取り組みとしてまず実際に目にしたのがコンテナ船から排出される汚染物質を清浄する作業。
大型船舶は重油を燃料としています。
重油は硫黄分が多く含まれている為、SOX(硫黄酸化物)が空気中に排気され、これが空気汚染や地球温暖化
に繋がっていると問題視されています。
特に大型船が速度を落としながら港に近づいたり、港から出て行く、または停泊中にこの排気ガスが出ている
為、これを少しでも除去しようという試みを行っているのです。


その他に目にしたもう一つの画期的なシステム。
それは港湾の運営を行っているTra Pac Inc.(㈱商船三井のグループ会社)が採用している無人の
コンテナ処理システムです。
Kalmar社(本社:フィンランドのヘルシンキ)の自動コンテナ積み下ろし制御システムを採用し
2014年12月から稼働開始し徐々に拡大展開中。

簡単にこの自動化システムを説明すると
①トラックの待機時間を短縮化する為に港の入口でトラックのシャーシ番号(トラックの番号)と
コンテナを積んでいる場合にはコンテナ番号の写真を撮影してシステムにアップロードします。
②読み取られたシャーシー番号とコンテナ番号を照合して迅速に各トラックにどのレーンに行くのか
を指示します。
③トラックは指示された積み下ろしの場所に移動します。
④そこに無人の自動クレーン“Automated Stacking Cranes(ASC)”が指示を受けたトラックまで
コンテナを移動させます。コンテナを積む場合にはリモートで人が操作しながらしっかりとずれが無い
様にトラックに乗せます。
またコンテナをトラックから下ろす場合には指定されたトラックからこのクレーンが自動的に引き上げます。
⑤船のコンテナの積み下ろしは自動クレーン”Automated Stacking Cranes(ASC)”がシステムから受信し、
指示を受けてコンテナの作業を行います。
⑥自動クレーンによって船から下ろされたコンテナは今度は無人コンテナ搬送機”Auto Straddle”
により搬送され、指定の保管場所に移動されます。
実際に間近で見た無人コンテナ搬送機の様子はこちらから ↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=Oz7NNwkL_w4
これがまた凄い!
地面にはめ込まれた数千ものマグネットとレーザーとDGPS(Differential GPS:GPS の電波の誤差信号を
補正して、高精度の位置測定を行うシステム)を同時に動作させて適格にターミナルの指定位置にコンテナ
を運ぶ事が出来るんです!
この無人コンテナ搬送機、自動クレーンそして鉄道輸送を使ったコンテナの荷役作業はここロサンゼルス港
が世界初の試みだそうです。
このシステムの詳しい説明はこちらの動画を見てみて下さい! ↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=FjMZA6VpMN4
このシステムを採用した事で
・小さいスペースで効率的な作業が出来る様になった
・機械が制御する事で人手で作業していた時よりも安全が確保されるようになった
・トラックの待機時間が短縮化される事で環境にも優しい
・作業の効率化によるコンテナの積み下ろし作業時間の短縮化でコスト削減の実現
というメリットが生れているとの事。
実際に間近でこの作業見みて今まで人手でやっていた事が機械がとって代わって作業をしているんだと
改めて技術の進化に感心しました。
その反面、港湾で働く従業員の仕事の範囲がどんどん減って行くという現実もあるので複雑ですが・・・。
時代と共に進んでいく技術改革。
様々な取り組みをしながら進化して行く、ロサンゼルス港。
どう変化して行くのか今後が楽しみです ![]()
今日も覗いて頂き、ありがとうございました!
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